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建設業における工程表とはなんですか?

建設業における工程表とは、着工日から竣工日までの期間に行うべき工事のタスクや工程を、時系列順にまとめた表です。工程表は、プロジェクトの開始から完了までの各作業順序、期間、担当者を視覚化し、一目で把握できるようにしたものです。

目次

工程表の主な特徴と役割は?

  1. 視覚化:作業の進捗状況や予定を可視化し、全体像を把握しやすくします。
  2. 情報共有:多くの関係者が同じ情報を共有することができます。
  3. スケジュール管理:各工程に必要な日数や納期までのスケジュールを管理します。
  4. 進捗確認:実際の進捗状況を記入し、現場の管理・把握を容易にします。
  5. リスク管理:天候や資材の調達状況など、予期せぬ事態にも対応できるよう柔軟性を持たせます。

工程表は、バーチャート、ガントチャート、グラフ式、工程管理曲線、ネットワーク工程表など、様々な種類があり、プロジェクトの規模や目的に応じて適切なものを選択します。これらの工程表を効果的に活用することで、建設プロジェクトの効率的な運営と管理が可能となります。

工程表の種類にはどんなものがありますか?

建設業で主に使用される工程表には、以下の5種類があります。

  1. バーチャート工程表:最も一般的な形式で、縦軸に作業項目、横軸に日付を記載します。作成が簡単で、各作業のスケジュールが把握しやすいのが特徴です。
  2. ガントチャート工程表:バーチャート工程表に似ていますが、横軸に進捗率を記載します。複数の作業を並行して進める現場での進捗把握に適しています。
  3. グラフ式工程表:縦軸に進捗率、横軸に日数を記載し、作業の予定日数と現在の進捗率を同時に確認できます。作業間の関連性も把握しやすいですが、表が複雑になる傾向があります。
  4. 曲線式工程表(出来高累計曲線):縦軸に出来高率、横軸に日程を記入します。工事全体の進捗状況を把握しやすいのが特徴ですが、個別の作業の詳細は分かりにくいです。
  5. ネットワーク工程表:作業内容や施工の順序を番号・矢印で示します。複数の工種が存在する現場での作業間の関係性やプロセスを可視化できますが、作成や修正には専門知識が必要です。

これらの工程表は、プロジェクトの規模や目的に応じて適切なものを選択し、効果的に活用することが重要です。

工程表の種類を選ぶ際のポイントは?

工程表の種類を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  1. プロジェクトの規模と複雑さ:小規模なプロジェクトにはバーチャートやガントチャート工程表が適していますが、大規模で複雑なプロジェクトにはネットワーク工程表が適しています。
  2. 作業の進行状況の可視化:リアルタイムでの進行状況把握にはガントチャート工程表が、長期的な進捗管理にはグラフ式工程表が適しています。
  3. リソース管理の必要性:詳細なリソース割り当てが必要な場合はネットワーク工程表が有効です。
  4. プロジェクト期間:短期プロジェクトにはシンプルな工程表、長期プロジェクトには詳細なネットワーク工程表や工程管理曲線が適しています。
  5. 関係者の数と役割:多くの関係者が関わる場合は、全員が理解しやすい形式を選びます。
  6. 使用するソフトウェアやツールの対応状況:特定のソフトウェアに対応している工程表形式を選ぶことが合理的です。
  7. 工事内容や目的:各工程表の特徴を理解し、工事内容や用途に適した種類を選びます。
  8. 管理のしやすさと見やすさ:現場で活用しやすい、見やすく管理しやすい工程表を選びます。

これらのポイントを考慮し、プロジェクトの特性に最も適した工程表の種類を選択することが重要です。

工程表を作る具体的なメリットは何ですか?

工程表を用いることで、建設プロジェクトにおいて以下の具体的なメリットが得られます。

  1. 納期遵守の実現:工事の進捗状況をリアルタイムで把握でき、トラブルや遅れが生じた場合でもスムーズに対応できます。
  2. 工期短縮:人員配置や材料手配を効率的に行うことができ、全体の工期を短縮できます。
  3. コスト削減:適切な人員配置でムダな人件費を省き、効率的な材料手配で原価を削減できます。
  4. 作業効率の向上:工事進捗に合わせた適切なスケジュール管理や人員管理が可能になります。
  5. 役割分担の明確化:どの業者がどんな仕事を担当するのかが一目瞭然となり、トラブル発生時の対応がスムーズになります。
  6. タスク間の関係性把握:作業内容や工程の流れが整理され、タスク同士の関連性が明確になります。
  7. 進捗状況の見える化:リアルタイムで作業ごとの進捗状況が理解でき、遅れている作業に対して的確に対応できます。
  8. リスクの把握と軽減:各工程のリスクを事前に把握し、適切な対応策を準備することができます。
  9. コミュニケーションの円滑化:関係者全員が作業の進捗状況や今後の工程を共有でき、意思疎通がスムーズになります。
  10. リソースの最適化:限られた資源(人員、資材、時間、コストなど)を最大限に活用できます。

これらのメリットにより、プロジェクト全体の効率化、品質向上、コスト削減が実現し、顧客満足度の向上につながります。

終わりに

建設業において工程表はいわば現場の羅針盤と言っても過言ではないでしょう。しかし工程表は作る人によっては最高の宝の地図にもなりえますし、反対に最悪な航海となる可能性もあります。試行錯誤したにも関わらずなんとかかんとか工事を終わらせたとしても、得るもの(利益や評価点)がなければそれは自己満足にすぎません。

そうならないように工程表は一度作ったら終わりではなく工事を進めていく間にも見直しが必要だったり複数人で検討し、調整して完成していくものだと思っています。ぜひ試行錯誤しながら工程表を作成してみて下さい。

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この記事を書いた人

土木施工管理18年。
土木施工管理技士1級取得。1級試験は5回くらい落ちました。

そんな自分でもなんとか土木業界18年やって来れました。
技術者に対する知識や資格取得情報の発信とキャリアップを応援!

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